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《断章》副総理だって主夫をする!⑮

にゅぽん 窄まりからハルオミさんが引き抜かれて、焦燥感にかられる。 俺の蕾…… ハルオミさんの形も熱も覚えているのに、蕾にハルオミさんがいない。 「いるよ」 髪に大きな手が降ってくる。 「私は、ここに……」 ふわふわ、髪を撫でてくれる手が暖かくて心地良い。 「もう一人の私もいるからね」 俺の左にハルオミさん。 俺の右には、等身大抱き枕のハルオミさん。 二人のハルオミさんに挟まれちゃった。 「よそ見はダメだよ」 「あっ」 顎を持ち上げられて、ぷにぷに 指で頬っぺた突っつかれる。 「君が見るのは私だよ」 蒼い瞳が落ちる。 (すみれ)の……俺の瞳の中に…… 「それとも見間違えてしまったのかな?ミルクで濡れた顔まで、おそろだからね♪」 「ナアァァァァァーッ!!」 ななな、なんてこと言うんだァァッ!! 堪え性のない俺が暴発して、等身大ハルオミさんの顔に吐き出してしまって~ その後、本物のハルオミさんと一緒にイッた際に勢い余って、ハルオミさんの顔にまで飛ばしてしまったんだ…… 白いの…… 「ごめんなさい」 「怒ってないよ」 うっ、うぅ~ けれどっ!よりにもよって! 夫の顔にアレを飛ばすなんてーッ 「また飛ばしていいからね」 チュプン 差し出された人指し指をチューチューする。 ……口の中、えぐみのある苦味が広がった。俺の味だ。 こんな穢れたワイセツなモノで、端整な夫の顔を汚してしまうなんて。 「それとも、かけてあげようか」 「えっ」 「三人おそろの顔になれるよ?」 それは、つまり……… ハルオミさんの血管の浮き出たいきり立つ剛直が鼻先に突きつけられて、おっきな亀頭から、ドクドク、ビュクゥーンッ! ………って。 雄の白く濁ったお汁が、俺の顔に~★ 「嫌かい?」 プルプル~っ ハルオミさんの指を咥えたまま、慌てて首を振る。 俺はかけといて、ハルオミさんのは嫌だなんて言えない。 「じゃあ、決まりだね」 「えっ…と~?」 「今度は、いっぱいかけてあげるよ。私の精液で種まみれだ」 えっと、えっと。 「目の前に突きつけるから、君が私自身を(しご)いて、こすって、手コキで発射させるんだよ」 「えぇぇぇーッ」 そーっ、それはーっ 狼狽する俺を端に映した藍の眸(め)が、微笑みを奏でた。 「いいだろう?」 俺は、すっかり失念していた。 「君が、私の射精管理をするんだよ」 俺の夫は、変態だ。

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