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《断章》副総理だって主夫をする!⑳
「ハルオミさァァーん!」
一体、俺を……
「どこに連れてくんだー!」
バタバタバタッ
抱っこして肩に担いだハルオミさんが、下ろしてくれない。
お尻をさすさす。
少し赤くなってしまったね……チュっ
……って、キャー!!
キスされた。
口づけを落とした場所はさっきハルオミさんがチクリと刺した所だ。ハルオミさんが痕をつけた赤い痣を、唇が吸った。
どど、どうしよう。ハルオミさんの顔が見られない。
「抱き枕の私では、こんな刺激を君に与えられないよ」
「フヒっ」
しれっと応えて、蕾の周りをくすぐって揉みほぐしてくるから。変な声で返事してしまった。
俺を乗せてる肩が揺れた。
ハルオミさんに笑われてしまった。恥ずかしい~
「お散歩に行こうか」
………………なんつった?
「お散歩の時間だよ」
俺には『お散歩』と聞こえたのだが?……
「一緒に朝のお散歩しようね」
「ええぇぇぇーッ★」
服、服、服~ッ
俺、服着てない!すっぽんぽん!
しっかり着ているのはハルオミさんだけ。このまま外出したら、俺の大事な秘所が丸見え★白日のもとにさらされてしまう。
かつてΩはαの家畜だった。
Ωはαに服従し、αに性的快感を施される性玩具だった。
しかし、この国は変わったんだ。
Ωにも人権が認められ、αの首輪なしで街を歩けるようになった。
無論、Ωの衣服着用も認可されている。
αと同様の人権が法律で守られている今、すっぽんぽんでお散歩したら露出狂になってしまう。
「君は露出していないよ。包皮で保護されているからね」
「やかましいわっ」
露茎じゃないから露出狂にはならないかも知れないけれど、恥ずかしいの!
むむー
……って、ハルオミさんを睨みつけてる場合じゃない。
止めなければ!
わっ、言ってるそばから!ハルオミさん、寝室のドアを開けてしまった。
「ここがリビング。ダイニングキッチンになってるよ」
(……えっ)
「えっと~」
「奥は客間だけれど、ほとんど使わないね。書斎になっている」
「お散歩っていうのは……」
「我が家をお散歩しないとね。昨夜はベッドに直行してしまったから」
恥ずかしい。
玄関を開けるやいなや、寝室に連れ込まれて……
(お姫様抱っこで)
ベッドに押し倒された…んだった。
案内がまだだったろう。……と。
サファイアの瞳に光が揺らめいた気配を感じた。
「私と君の家だからね」
……俺、ハルオミさんの奥さんになったんだ。
きらめいたのは金色の……
左手の薬指
マリッジリング
同じ指輪をはめてる。
ハルオミさんと同じリング。
俺とハルオミさんを繋ぐ指輪だ。
「おやおや、私は抱き枕じゃないよ?」
きゅって首元にしがみついた俺を、ハルオミさんがからかう。
「ハルオミさんだから、だよ」
「知ってるよ」
俺の夫は意地悪だ。
「軽く食事したら買い物に出かけよう。君の好きな物を、たくさん教えてくれないかい?」
「俺も。ハルオミさんの好きな物を、いっぱい知りたい」
「そうと決まれば洗い物だ」
「うん、そうだ……」
そうだ…ね?
………………あれ?
軽く食事したら……って言ったよね。まだ何も食べてないけど~
「家事は余りしないけれど、洗い物だけは得意なんだ」
「そうなんだ……」
食事してないのに、洗い物は出ないと思うけど。
すたすたすた
「ここがバスルームだよ」
脱衣所のドアを開ける。
やけに丁寧だな、バスルームの案内。
「君をピカピカにバスルームで洗うよー!!」
洗い物は、俺だ~~★
「さぁ、孔の奥までキレイになろうね!!」
「ギャアァァァー♠」
ハルオミさんの変態スイッチ、入りっ放しだったー!!
「君のお尻を撫でていたら、垂れてきた子種汁で手がベトベトになってしまったよ」
「それ、ハルオミさんの種汁!」
「………」
「………」
ギャアァー!俺ッ、なんてこと言ったんだ~ッ
「ナツキ」
「……はい」
「変態♪」
あなたにだけは言われたくない!!
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