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《断章》副総理だって主夫をする!23

わしゃわしゃー……と。タオルで全身を拭かれて。 ブワァー……と。ドライヤーで髪の毛を乾かされて。 風呂上がりの俺は、ピッカピカのツっルツル! お肌もつやつや。 髪の毛を乾かす間、俺に触れて髪を梳くハルオミさんの指、気持ち良かったなぁ……なんて♪ 「あっ」 「どうしたんだ?」 忘れ物か? ……って。ここはハルオミさん()だから、それはないよな。 「陰毛を乾かしてあげるのを、うっかりしていたよ」 「そこ、ドライヤーいらん!」 「君の剛毛の手触りを確かめたかったよ」 ぽかっ ミニプシューだ。頭からちっちゃく湯気出して反省しろ。 *** *** *** 俺の夫は変態だ。 俺の夫は変態だ。 ※大事なことなので2回言いました。 *** *** *** 「そうだね。私達は夫婦だ。 これからも一緒にお風呂だから、明日は乾かしてあげるよ♪陰毛!」 *** *** *** 《訂正》 俺の夫はド変態だ。 俺の夫はド変態だ。 ※大事なことなので2回言いました。 *** *** *** ……俺はこの先ずっと、アソコの毛にドライヤーをかけられるのか……うっ、うぅ~ 「ナツキ、それをとってくれるかい?」 「はーい」 『それ』で分かっちゃった。 阿吽(あうん)の呼吸で、長年連れ添った夫婦みたいだね♪ ふわもこフード付き部屋着を、ハルオミさんの肩にかける。 ハルオミさんが腕を通しやすいように……こうかな?よいしょっ 俺の夫は政治家だ。 スーツで出勤になるな。……とすると、毎朝こうやって俺がハルオミさんのスーツを選んで、ネクタイも選んで…… ネクタイ曲がってるよ、なんて言って直してあげたりして。 ちょっと恥ずかしいけど、ドキドキする。毎朝、こんなにドキドキして心臓もつかな。 (弱気になってどうする、俺!) 元気にハルオミさんをお見送りするのは妻の務めだ。 俺達は新婚さん♥ (いいいーっ) ………………行ってらっしゃいのチュー♥が待ってるんだ。 新婚さんだから、行ってらっしゃいのチュー♥……しなくちゃいけない! ほっぺだろうか? それとも唇? どっちだ? 行ってらっしゃいのチュー♥する場所は?? 俺はΩで、Ω解放軍統帥シルバーリベリオンだから、貞淑なΩ妻のお作法が分からない。 ほっぺか…… 唇か…… (行ってらっしゃいのチュー♥の正しい場所は、どっちだァァー??) 「ありがとう」 ハルオミさんが、部屋着に腕を通してしまった。 どうしよう! いま振り返られたら、真っ赤な顔を見られてしまう。 ハルオミさんは、シュヴァルツ カイザーだ。 手に取るように思考を読んでしまう。 (行ってらっしゃいのチュー♥を考えてたなんて知られたら恥ずかしい) ………バサンっ 「ナツキ?」 ハルオミさんが振り向く寸でのところで、フードを被った。 ギリギリセーフ! 部屋着のフードが深くて助かった。 俺の顔はハルオミさんから見えない。 俺からもハルオミさんの顔、見えないけれど。 「……私を煽っているのかな?」 ………………え。 「フードで目隠してして」 ……いけないコト、されたいのかい? 「君は……」 「わっ」 視界が真っ暗になる。 捕らえられた。強健な(かいな)の内側に。柔らかな石鹸の香りが、鼻孔をくすぐった。 ハルオミさんのボディソープの匂い。 厚い胸に顔を押しつけている。 体を引き寄せられ、手繰り寄せられて、両腕の強い引力が俺の体を離さない。 「目隠しプレイなんて、どこで覚えたんだい?」 淫乱な悪戯妻だね…… *** *** *** 《追記》 俺の夫はドスケベ ドSのド変態だ。 俺の夫はドスケベ ドSのド変態だ。 ※大事なことなので2回言いました。 *** *** ***

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