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《断章》副総理だって主夫をする!24
シキ ハルオミ
若くして卓越した手腕で、政界の表も裏も取り仕切る。
その類い稀なる洞察眼によって、相手の思考を読み、思考を操る彼は《黒の支配者》シュヴァルツ カイザーと呼ばれている。
我が国の陰の頂点に君臨する、名実ともに実力者であり、
日本国 内閣副総理大臣
彼の正体は………
変態である。
「さぁナツキ、お昼寝の時間だよ」
背中でスプリングが弾んだ。
ハルオミさんに連れ込まれたのは、寝室だ。たぶん……
抱っこされて、押し倒されて、ここはベッドの上だ。
フードを被せられたままで、なにも見えないけれど。俺、戻ってきてしまった。
「どうしたんだい?眠れないのかい?」
フードを外そうとした手は、ハルオミさんに捕らえられる。
………嫌な予感しかしない。
「あぁ、そうか。お気に入りのおしゃぶりがないと、君は眠れなかったね」
ハルオミさん!
「俺をいくつだと思ってるんだっ」
「私の十歳年下だよ。私は君より十歳も年上の『アラサーお兄さん』だ」
「………」
……根に持ってる~
しかも『アラサー』に『お兄さん』を強引にねじ込んでくるあたりが、まさにハルオミさんだ。
「アラサーお兄さんが、君のお世話をしてあげるよ」
つんっ
……熱を帯びた……適度な弾力のある固い物が鼻先を弾いた。
掌が頬を撫でて、頬を包んで、顎に指をかけて持ち上げる。
「ナツキ」
はむ
(おっきい!!)
こんな巨大なおしゃぶり、顎が外れてしまう!!
熱くて、ドクドクして、舌を上顎を口の粘膜をゴリゴリこすってきて。
パンパン口の中を脈打つ。
(これ)
おしゃぶりじゃない!!!
(これ)
ハルオミさんの!!!
「ひんほ~」
「正解だよ」
指が、乾かしたばかりの俺の髪を梳いた。
「君のおしゃぶりは、私の淫棒だ」
「ひんほ~!!」
「嬉しいんだね。恥ずかしい『淫棒』を連呼して。……ほら、ちゅーちゅーしようね」
「ふみぃ~」
無理!
おっきい!デカい!
こんなのおしゃぶりじゃない。
ハルオミさんが馬乗りになっている。
口からはみ出る巨根の熱で、ハァハァ……酸素が足りない。
(顎がぁ~)
苦しい。
酸素がほしい。
存在感に圧倒された思考で、まともに考える事ができない。
「ちゅーちゅー、上手だよ」
……俺、ハルオミさんの淫棒……吸ってる。
(はふほみさぁん……)
「そこは鈴口だよ。そんなに強く吸ったら、雄っぱいが出てしまうよ」
「ひゃんっ」
ズボンが濡れた。
俺のズボン……
冷たい。
ズクズクだ。
(かけられたのは……)
ハッとした。
マグカップをコトンって置く音がしたから。
「お漏らし、しちゃったんだね」
「はふほみ…しゃ……」
藍の双眼。見えない筈のサファイアが心臓を穿った。
「いけない子だ」
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