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☆新年SP☆おこ💢なハルオミさん⑬
「夫婦は以心伝心だね」
あなたの言葉が暖かくて。
同じ気持ちだったんだ……って分かったら、胸がキュンッて鳴った。
ねぇ、ハルオミさん?
「なんだい?」
あのね……
「どうした?私に言えない事なのかい?」
そうじゃないよ。
「俺、ね」
「ん?」
すっと細めたサファイアが覗き込む。たったそれだけの仕草で、心臓の音が鳴り止まない。
ドキンッドキンッ
破裂しそうなくらい打ち響くんだ。
「……ぎゅっとしたい」
あなたに暖めてもらった胸の鼓動を聞いてほしい。
あなたの言葉が暖かくて。
だけど俺はあなたみたいに、上手く言葉で暖められないよ。
だから、ねぇ……
あなたをぎゅっとして、俺の温もりを感じてくれないか?
大きなハルオミさんの体を、両腕で。ぎゅっと抱きしめて暖めたい。
「おいで」
手と手を繋いだまま。
もう片方の空いた腕を、ハルオミさんが広げた。
翼のように。
手を繋いだまま、体を滑り込ませて胸に頬をうずめる。
仄かな香りが鼻孔をくすぐった。洗い立てのボディーソープの香りだね。ハルオミさんの匂いが好き。
広い背中に腕を回して、あなたを、ぎゅっ………
ガシィッ!!
肩を掴まれた。
握っていた手が振り払われて、突然。
(なにが……)
起こったのかさえ分からない。
状況に思考がついていかない。
俺の手が、ひとりぼっちになった。
(なんで……)
俺を突き飛ばした腕……
よろけた体、なんとか転ばないように踏み留まったけど。
ハルオミさんに拒まれた。
俺……ハルオミさんに嫌われてしまった。
(離婚)
するのかな。やっぱり……
ハルオミさん、大好きだったけど。
今も大好きなのに。
……「はっくしゃんッ」
………………へ?
顔を背けたハルオミさんが、くしゃみした。
はくしょんッ
脱衣所でずーっと裸でいたから。
大変だ!
ハルオミさんが湯冷めした。
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