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★新年SP★おこ💢なハルオミさん⑲
ザッブーン!!
湯船が揺れる。
浴槽から溢れた波に、洗い場の洗面器がさらわれていった。
「肩まで浸かるんだよ」
「はーい」
男同士、裸の付き合いだ。
ハルオミさんと一緒にお風呂♨
くしゃみをした俺は服も下着も剥ぎ取られて、風呂場直行。
ジャブーン
……お湯の中だ。
ハルオミさん共々チャプンチャポン、湯船で二人肩を並べている。
「ナツキ」
サササッ
「ナツキ」
ササササッ
肩を並べて横並びで、お風呂の中。
ハルオミさんは優しいんだ。俺が体を冷やして風邪引かないように、って。抱っこで俺を運んでくれた。
心配りのできるαは素敵だよ。
世界がハルオミさんみたいなαばかりだったら、戦争は起きなかったろう。
Ωを家畜にしたαに、俺は血の制裁を加えた。
日本国に戦禍の火を放った戦犯として、シルバーリベリオンの悪名は消える事はないだろう。
もう変える事のできない過去だけど。
(俺は変わるよ)
あなたと共に、未来を育みたい。
覚悟を決めたんだ。
あなたと幸せになるって。
未来をつくる事が、変えられない過去に未来を信じて生き抜いた余多の意志を生かすのだと。胸に刻んだあの日に誓った。
俺はもう、手離さない。
大切なものは手離しちゃいけないから……
あなたの手を離さないよ。
………サササッ
「ナツキ」
「はい」
………サササッ
「君はなぜ逃げる」
「え、なんの事?」
………サササササーッ
「逃げているよね、明らかに」
ハルオミさんが間を詰める度、浴槽の縁 を伝って一定の距離を保ってきた俺だけど。
「追い詰めたよ」
端っこだ。
逃げ場がない!
ジャブーン
波が浴槽から溢れて、ゆあん、ゆやん。湯船が揺れる。ハルオミさんの巨体が押し寄せる。ハルオミさんの巨根も押し寄せる。湯の中で、ゆよーん。脚と脚の間で、でかいの……揺れている。
ドキンドキンッ
湯船の波に揺られて、鼓動も波打つ。
藍の双眸がすぅっと細まった。
「大切なものは手離しちゃいけないんだ」
……確か、そうだったね。
「はぅ…ン」
冷冽な瞳の蒼に囚われた俺は頷く事しかできない。熱い吐息が漏れる。
「捕まえたよ……慎ましやかな君!」
お股のアレがッ
ハルオミさんの手に!!
あなたにとって大切なものとは、俺のナニなのかァァーッ
許さないぞ。幾ら夫だからって。
「慎ましやか呼ばわりするなーッ!」
「自覚がないのかい?君のムスコは寝袋から出てきて勃きたての『慎ましやかな君』だよー!」
「寝袋言うなー」
「勃きたての君は、ご機嫌斜めかい?」
あなたがご機嫌斜めにさせてるんだよっ(あなたの言動が!)
シュヴァルツ カイザー!!
(どうしてあなたは、繊細な俺の思考だけ読まないんだーッ)
「ハフー」
あなたの手が湯船の中で揺れている。
「寝袋から出たくなかったのかい?もう一度中に収めてあげようか」
「入れないで~。皮いらないっ」
「そんな事を言うんじゃないよ。君の皮被りは私好みなんだ」
……ハルオミさん、変態。
「君だってそうだろう。私達は変態夫婦だよ」
「俺はちがう~」
「君のココ、湯船の湯より熱いよ。さっきから私のイチモツをチラチラ見て。……そうだ!」
ゾゾゾー
(なぜっ)
俺は湯船に浸かっていて、お風呂の中で暖かいのに背筋にゾゾゾー……って。悪寒がしたんだ?
「君のイチモツと、私のイチモツ♪違うところを列挙してみようか!」
はぃぃ~??
「せっかく君が私自身を見てくれているんだ」
ねぇ、ナツキ
「教えてくれないかい?」
「………」
「私の股ぐらの『百獣の王』と、君の股ぐらの『慎ましやかな君』は、なにが違う?」
………………
………………
………………
結論。
教えません!!
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