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🌼君に贈るカーネーション🌼〔中編〕

……「君っ、どうしたんだいっ」 アァ、ハルオミさんの声が遠くで聞こえる~ 俺の第一夫・シキ ハルオミは、日本国副総理大臣で、ドスケベでエロエロで、運命の変態だ! 「今日は大切な日だよ。私達、三人の夫からのプレゼント受け取ってくれるね」 そうだった★ だから、ハルオミさん(第一夫・運命の変態)と、ユキト(第二夫・運命のα)と、アキヒト(第三夫・自称運命のβ)が俺を起こしにに来たんだ。 「ナツキ、今日がなんの日か分かる?」 えぇーっと~ 「五・一五事件の日」 「3日後だよ」 「桜田門外の変」 「3月3日だ。君はまだ、おねむさんのようだね」 うぅ~ 「サクラダファミリアの日」 「まだ完成してないね。確か2026年に完成予定の筈だよ」 さすがはハルオミさんだ。政治家として、外交に必要な知識なんだろうな。 「統帥、一度『桜』から離れましょうか」 うぅ~ 離れても分からないよ。 「答えられないの?仕方ないな、教えてあげるよ。ナツキの金玉、愛人に食べられるのシャクだから」 キィッと横目にアキヒトを睨んだユキトだが。その約束、継続してたのかーっ 「ナツキ、耳貸して……」 ごにょごにょごにょ 耳打ちするユキトの息、くすぐったいよ。 え?それが正解なのか? 「母の日」 「あーあ、当てられちゃった」 アキヒト!あからさまにガッカリするな。ほんとに、きんた…ま食べる気だったのかー! 「もうちょっとで統帥のアソコの毛、剃毛できたのにぃ~」 そっちかー!! 「皮被りの君が、股ぐらツルツルだなんて卑猥だよ」 やかましいわっ、ハルオミさん。 ……嬉しそうだな、三人の夫ども! 大切な男性器だぞ!包皮で守られるのが正しい姿だ! 「ナツキの場合、毛がなくなったら、中学生のツルツルお股だね♪」 追い討ちをかけるな~、ユキト~ 好きで被っとるんじゃないわーッ!! 「………」 「………」 どうしたんだ?顔、赤いぞ。 「………興奮する」 なんでっ!ユキト、息ハァハァしてるんだっ? 「話がめちゃくちゃ逸れてるぞ」 「めちゃくちゃ剃る?……統帥のボーボー陰部とは、今日でお別れなんですね。 はみ毛に会えなくなるのは、ちょっと寂しいな」 どんなにしおらしげに振る舞ったって、言ってる事が猥褻だ。顔がにやけてるぞ、アキヒト! 「会陰の毛だけ、ひと摘まみ残しましょうか」 「……なぜだ?」 「会陰の毛、引っ張られると先走り垂らした雄棒振って悦ぶでしょ♪統帥♪」 「ナッ」 「もしかして無意識だったんですか?……やらしい体ですね」 「知ってるよ!ナツキの会陰好きは!」 ユキト、お前まで~ッ 「陰毛で遊びたい年頃だもんね!」 どんな年頃だァァーッ 「剃っても生えるから大丈夫」 大丈夫じゃない。 「統帥は剛毛だから、すぐボーボーになりますよ」 剛毛言うな。 毛深い人は情が深いんだ。 「ツルツルの君も、ボーボーの君も、いっぱい鳴かせてあげるから安心するんだよ。 カチカチのデカチンで、つぶらなオスマンコに楔を打ってあげようか。君の会陰は私の指から逃れられないよ」 「ギャアァァァー」 「『攻めの帝王』の異名を持つ私が、君の会陰を愛でてあげるよー!」 初めて聞いたっ 誰が呼んだんだっ 「自称すれば君が呼んでくれる」 「呼ばん」 たく、もぅ~ 「……母の日って?」 話、戻すぞ。 三人の夫と、妻の俺。 この場に、お母さんはいない。 「そうだよ」 「はぅンっ」 うなじに這う艶かしい舌使いに、やらしい声を上げてしまった。 「正解だ。けれど、答えは完璧ではない。君は不正解だ」 「どういう……」 ハルオミさん、どういうこと? 「五年後……いや、三年後かな。二年……もしかすると、一年後かもしれないね」 ナツキ、私のもう一つの名を覚えているかい? (ハルオミさんは……) 「黒の支配者(《シュヴァルツ カイザー》)」 そう…… 「人の思考を読み、思考を操る私は《シュヴァルツ カイザー》と呼ばれている。 しかし、これはマジックでもトリックでもないさ。思考から行動を先読みするだけの話だ」 だが。 だから。 ……ゆえに、私には分かるよ。 「君は、母になる」 俺が、母に……… 「そうだよ。Ωの君は、αである私の子を産むんだ。運命だからね」 ハルオミさんの子を、俺が……… 「一年後の約束だ」 小指と小指を絡めて、結ばれた指にキスが舞い降りた。 「ナツキ。一年後に産むのは、俺の子だよ」 ブラックダイヤの瞳に射貫かれた心臓が、ドキン 鼓動が高鳴る。 「俺がもう一人の運命のαだって事、忘れた?」 声と一緒に、柔らかな唇が額に降りた。 おでこと、おでこをこつん 「約束だよ」 「統帥はαの子は産みませんよ」 ハルオミさんと繋いだ手とは逆の、右手を取られる。 「一年後は俺の子、二年後は俺の子、三年後は俺の子。毎年、俺の子を産んでください」 手の甲 「子だくさんの幸せな家庭を築きましょう」 契約のキスが施される。 「あなたの騎士が、あなたと、俺とあなたの子供達を守ります。一生を賭して」 俺には三人の夫がいて。 三人の夫は、世界一エロいけど。 優しくて、そばにいるだけで胸がキュンと鳴る。 俺は、世界一幸せだ。 きっと…… ハルオミさん ユキト アキヒト きっと…… いつか、お前達の子供を産むのかな。 そんなふうに、お前達に想われている俺は幸せだ。 うぅん。もっと幸せになれる。これから未来、幸せが増えていく。そんな気がするよ。 だから……… 「だから、ナツキ」 「だから、君」 「だから、統帥」 「「「今日、母の日にプレゼントだ!」だよ!」です!」 でんっ❤ ずんっ💛 どんっ💙 「ナナナァァァァーッ」

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