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【お正月♪】初詣はあまねく愛に包まれて⑫
「ウギャアアァァァァアアーッ♠!!」
「君がくれた天狗じゃないか」
ちがう!
そうだ。
そうだけど、ちがう!
お面は、そんな所に付ける物じゃないーッ!!
それに、それにっ
天狗が増えている。
俺があげたのは、ハルオミさんに一つだぞ。
「欲しかったから、自分で買ったよ」
「俺もです。副総理とおそろになるのは不本意ですが」
でんっ
ずんっ
だんっ
股間で赤天狗が揃い踏みしている~!!
ムギャアアァァァアアーッ♠♠♠
「ナツキが喜んでる♪」
「Ωの本能だね!」
「統帥の性欲は恥ずかしいですよ♪」
恥ずかしいのは、お前達だわッ
エプロンの下がこんもりしていたのは、この天狗共の鼻のせい。
赤い赤い鼻が……
ずんっ、ずんっ、ずんっ
「寄るなァッ」
主張するな。
「おかしいね……Ωはこうすると悦ぶ筈なんだが」
そんな習性はない。
どこで手に入れた知識だ!
(こら★)
ハルオミさん!天狗の鼻をやらしく撫でるなァァーッ
その手の動きは……
「君も大好きだよね。私達に隠れてやってるの、知ってるよ」
「やってない!」
「ほんとにぃ~?」
ユキト、なんだ。その疑いの目は?
「隠さなくていいですよ。俺、見たいから」
アキヒト!
そそ、そのっ……
自分を慰める行為は、誰かに見せるものじゃないんだ。
「……俺、そんなことしないから」
「可愛いな」
フっと吹きかかった吐息の場所。
「真っ赤」
耳が熱い。
「おかしいね。こないだ、したじゃないか。相互オナニー」
「ハルオミさん!」
「やっぱりナツキ、オナニーしてる~……」
ユキト、言うなっ
「統帥、どんなふうに扱くんですか」
アキヒト。お前まで天狗の鼻をやらしい手つきで撫でるんじゃない。
天狗~~!!
ま、ま、まーッ
「股ぐら」
そう、それ!
股ぐらの天狗が三本ーーッ!!
プシュゥウゥゥ~~
「おっと。湯気を出して倒れないでおくれ」
ハルオミさんが額を押さえてくれたけど。
でん、でん、でんっ
ハルオミさんのが!
赤いの!
お股の赤いのが気になって。
「フギャアァァーッ」
「ナツキがまた暴れ出してしまったよ」
「統帥、興奮していますね。Ωだから仕方ありません」
ちがう!
Ωは股間の天狗を見て興奮しない。
変な習性付けるな。
「ナツキ、分かったよ!」
「ユキト」
やっぱり、お前は運命のαだ。
「ナツキも欲しいんだね」
………………
………………
………………
「なにを?」
「もちろん、ナニに付けるナニだよ」
………………
………………
………………
「はい、ナツキの♪」
「………これ、なに?」
「豆天狗」
ユキトの手の平に。
ちっちゃな、ちっちゃな可愛い天狗さん。
「店の人がおまけでくれたんだ。子天狗と豆天狗が選べたんだけど、ナツキならやっぱり豆天狗かなぁ……って♪」
「………………」
「ナツキも付けようね。股ぐらの豆天狗だよ♥」
ユキトォォォォーッ
「それって、どういう意味だァァッ!!」
プシュゥウウゥゥゥー!!
ついでに。
プシュゥウウゥゥゥー!!
プシュゥウウゥゥゥー!!
ハルオミさんとアキヒトもプシュー
ユキトを止めなかった時点で同罪だ。
……ハァハァハァハァ
……俺の股間は……
こんな小さな……
「豆天狗の中におさまるか」
「そうだね。君はボーボー陰部だ」
そういう問題じゃないわっ
ハルオミさん、プシュっ
湯気出して寝てろ。
三人の夫共!
……憎めない俺はやっぱり甘いよね。
大好きだよ、夫達。
プシューしたおでこに、チュッ♥
《初詣編 おしまい♪》
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