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🌀👕梅雨の晴れ間編☔洗濯物がたためない!!①

……どうしよう。 梅雨の晴れ間。 俺は途方に暮れている。 (こんな筈ではっ) なぜ、俺はこんなにも手間取っているんだ。 こんなにもっ! 俺の知略を駆使すれば、ものの数分で終わるだろう。 そうだ。 俺はかつて、Ω解放軍を率いて日本をαから奪う戦争を起こした。首都東京は陥落寸前にまで至り、日本国奪取とαの滅亡は目の前だった。 かつての俺はΩの頂上に君臨する、Ω解放軍統帥。 今はハルオミさんに嫁ぎ、シキ家の頂上に君臨するスーパー主夫!! …………を目指している。 だから、こんなっ (こんな洗濯物っ) こんな物に手間取っている時間はないんだァァァーッ!! 洗えない訳じゃない。 目の前の洗濯物は、既に洗濯済みだ。 外干しも済ませて、後はたたむだけ。 …………なのだが。 「たためない」 片や、きれいにたたんで、後はクローゼットに収納するのみの洗濯物の山半分。 片や、散らかしっぱなしの洗濯物の山半分。 きれいにたたんだ洗濯物は、俺のもの。 散らかった洗濯物は…… うぅ。 「ハルオミさん……」 我が夫のものである。 倦怠期ではない。 俺達夫婦に倦怠期はない。なぜならば、一生新婚さんでいようと誓った仲だからだ。 俺はハルオミさんを愛している。 愛している夫の洗濯物がたためない。 一度はたたんだのだ。 (信じてくれ) 俺の洗濯物よりもきれいにたためたんだ。 だが……… 最後の一枚。 ピッチピチブーメランがァァァァーッ!! 俺を惑わせる。 壊していく。 俺の理性を!!

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