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温度差

『元気か?』 サクからのメールを見て俺はほっこりする。 にやけているのが分かって自分で自分がキモい。ぺしっと戒めに頬を叩く。痛い。 サクとはあれから頻繁にメールしている。時々電話も。 中学はケータイが学校とPTA連携で完全所持禁止だった。だから超新鮮。会えなくてもカンタンに友達と話せて嬉しいし楽しい。 ラインとかツイッターは俺がスマホに慣れてからって事になった。サクも同中なのに、すげーよなあ。そういや俺と同時期に買った遥も、もう使いこなしてる。何だろ…このぼっち感。 いいんだ俺サクしか友達いねーし、と悲しい言い訳をして返信の文章をせっせと作る。む、難しい…パソなら得意なのに。 メールを始めて分かったのは俺が小型機械が苦手な事と、イイ奴のサクが凄くイイ奴だったって事だ。 サクはちょくちょく、でも重荷にならない絶妙な頻度でメールをくれる。絵文字も顔文字も使わないけど、それがかえってサクらしい。今みたいに一言でも優しさを感じて胸がポカポカする。メールって人柄が出るんだな。 それに可愛い猫とか犬の画像もよく送ってくれるし、こないだなんか弟くんと並んで変顔してるのが来て笑った。滝山兄弟は本当に仲がいいって感じがして和む。 ――それに、学校でも… クラスは違うけど、サクは俺を廊下とかで見かけたら必ず声をかけてくれる。昼もしょっちゅう一緒に食ってくれる。 いやこれは中学でもそうだったんだけど。サクは友達が多いから、何だか申し訳ない。

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