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決意

――もしかして遥…彼女とケンカでもしてたのか? 俺にそういう類いの事を言ってこないけど――まあ弟には言い辛いよな、普通に考えると美人系イケメンの遥に彼女が居て当然だ。居ないって方がおかしい。 きっとここ最近の不機嫌は恋人とケンカしてたからで、ちょっと考えたくねーけど俺への過剰なスキンシップはその…欲求不満ってやつだったんだろう。 ――で、今日めでたく仲直りした…と なんだ、そうだよ。きっとそうだ。いったんそう思うと、そうとしか思えなくなってくる。でも今んとこ俺の想像だけだから、一応確認してみる。 「遥ってさ、彼女いるの?」 「え?うん、もちろん」 『もちろん』頂きました!このイケメソ野郎! 臆面もなく肯定した遥にヤッカミ半分喜び半分。いや、喜びがデカイ。なんかスゲー嬉しい。俺の顔は自然と綻んだ。 そして「なあ好きな人って誰?俺の知ってるコ?」と、興味津々で訊いてくる遥にハッとする。俺は「ごめん!」と頭を下げた。

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