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決意
「俺、お前に嘘吐いてた!」
「は?」と首を傾げる遥に俺は事の次第を打ち明ける。
隠す必要なんて、これっぽっちも無かったんだ。何をそんなに警戒してたんだろう。俺ダサすぎ。
サクとメールしてたこと、そしてサクに惚れたこと全てを遥にぶっちゃける。
俺の恋は一般的じゃないけど、同じ日に生まれて一緒に育ってきた遥には知っておいて欲しかったんだ。俺の初めて好きになった人を。
「頑張れよ」
双子の弟の初恋相手が同性でダチとくれば流石に遥も動揺したみたいで、俺の話を神妙に、でも最後までしっかり聞いてくれた。
そして穏やかに笑って、こう言ってくれた。さっきと同じ台詞だけど音が違った。それは『兄貴』の声で、顔だった。
俺の目頭が熱くなる。でも泣くのはカッコ悪いからどうにか堪えた。今日は涙腺緩みっぱだな、とツンとする鼻を押さえて笑い返す。
「ああ。ありがとう、遥」
もしかしたら、遥の精神は回復してきてるのかもしれない。立ち直って俺の事もどうでも良くなって、極寒モードも無くなるかもしれない。
それは間違いなく彼女さんのお陰で、俺は感謝してもしきれない。遥を助けてくれて、本当にありがとうございます。
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