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午前中に早退した。人生初サボリ。 授業どころじゃなくて、家に帰りつくまでの記憶もない。 昼休みが近付くのに耐えきれなかった。だってサクは、彼女と飯を食うんだ。 平日の真っ昼間の俺の部屋は、よそよそしい感じがした。『何で居んだよ学校行けよ』って机が責めてる気がする。 まあいいじゃん、ガリ勉だってたまには休みてーんだよ。見逃してくれよ。 「なんつって…」 自分の痛いファンタジーな思考に俺は薄く自嘲する。こんな下らない事まで考えないと自分を保てそうにないとか、どうなってんだよ。 崩れるように床に座り、背中をベッドに預けた。フローリングだから脚が冷たい。それは思い出したくないのに、朝の氷のような光景を脳裏によみがえらせる。 「……ぅ……」 ぼろぼろと、止める間もなく一瞬で涙が溢れた。前兆を感じなかったからビビった。 学校で出なくて良かった。堰を切ったように、次々と零れ落ちていく。 「だっせぇ…」 欠片も伝えられないまま失恋した。 叶うなんておめでたいこと願わないから、せめてコクらせて欲しかった。俺はこれから何でもない顔で、初々しいカップルを見守らなきゃならない。『おめでとう』って祝っちゃったんだから。いい友達面して。心はこんな、鉛みたいなのに。

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