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『兄』
「モモってマジ演技うまいよなー」
「でも俺もなかなかのモンだったろ?」
「メンドーだろなとは思うけどさぁ…あ~そんな喚くなよ」
「サクも悪い奴じゃねーから」
――なに、これ…
俺の指先が冷えていく。根を張ったみたいに床から足が動けなくなった。
何で、どうして、まさか―――
「ま、テキトーに付き合ってやってよ。きっと童貞くんだから優しくしてやってね」
俺の全身が、沸騰した。
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