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闇の中

今年の一月の中旬。あるストレスがピークに達し極寒モードになった遥は、更に些細な事でブチ切れ無理矢理カナをレイプした。それに酷く傷付いたカナは叶多の精神の奥に潜み、出て来なくなった。 「すごく怖かったし」「ごめんって」と二人は深いキスを交わす。その間に遥は破れたシャツの間から恋人の肌をまさぐる。 「叶多も俺の交代に最近スゲー怖がってたんだけど…やっぱアレお前の影響?」 「そうみたッい…、精神世界って、ンっ、不思議だよねぇ」 久しぶりの滑らかな肌を堪能しつつ、遥は恋人に訊く。カナは感じながらも律儀に応えた。が、体を弄る遥の手を手で押さえて止める。「でーも」と小首を傾げて妖艶に笑んだ。 「叶多を怖がらせるなって、オレ言ったよねえ…?ディープキスも絶対怖がるからするなって、ハルに忠告したよねえ?叶多が完全に自失したから交代できたけど何この状況?オレが出て来なかったら叶多もレイプする気だったの?しかもペラペラ喋っちゃうし。それに指舐めはともかく、強制オナもやりすぎだったよ?体にも触りすぎ」 恋人の凄むような、しかし甘ったるい毒のような畳み掛ける声音に遥は『ヤベッ』という顔をする。 「ワリ、つい…ガマンしてたんだけどさぁ…お前と同じカオだし声だし体だし」 「いい加減溜まってたし」と言い訳を続ける遥を、「さいてい」とカナは舌足らずに切り捨てた。 「叶多が警戒して普通の軽いキスも受けてくれなくなったらどうすんだよ。……オレ寂しいじゃん」 こういう所が恋人のカワイイとこだ、と遥は思う。カナは意識の奥に沈んでいても、叶多の五感を感受する事が出来るらしい。ちなみに逆は不可能だ。 どういう仕組みなのかは分からないが、とりあえず精神世界の奥で一人で居るしかないカナを慰める為に、遥は叶多本体にキスをしている。恋人に届くようにと祈りながら。思いのほか、寂しがり屋だから。

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