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闇の中
その後、連続して交わった二人は重なりあったまま休憩する。
何度も中に出されたカナの孔からトロトロと白濁が流れた。目の毒だなー、と淫靡な恋人に思いつつ遥は口を開く。最早さらけ出さずにいるのは不毛だった。
「…なー、カナ。俺さぁ…叶多ヤりてえんだけど」
今しがた欲を存分に吐き出した奴の言う台詞か、とカナは頭を痛める。そして、やっと白状したかとも思う。「どうして?」と理由は解りきっていたが訊いた。
「いやアイツ、処女のクセにスゲェんだって。ちょっと俺が嘘泣きしたら『おまじない』ってチューして来んの。元ネタお前なのになあ」
「話ずれてるよ?ハル」
恋人の髪を長い指に巻いて遊ぶ遥をカナが穏やかに正した。どうやら想いはまだウヤムヤらしい、と憂えつつ。
遥は「あ、そーそー」と思い出した。
「それが顔真っ赤でさ、あざといの。しかも上目使い。俺うっかり勃ちそうになったよね。兄弟愛の感動シーンなのにね!」
まったくこの男は、と欲望に忠実な恋人にカナは失笑する。そこも魅力の一つで、カナにも都合が良いが。「浮気じゃないからぁ!」と耳元でキャンキャン吠える姿も愛しい。浮気だけど。
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