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翌日午前11時
不細工な声で遥に頼む。サクからのメールに『ついさっき』気付いたんだ。
着信時刻は昨日の夜10時前だったけど、寝落ちしたらしく見るのが遅れた。いつパジャマに着替えたのかすら覚えてない体たらくだ。断ろうかと迷ってたけど、俺より遥の方がサクも助かるよな。
「うん、いーよ。おけ」
遥が清涼飲料水のCMばりに、わざとらしく爽快に笑って了解してくれた。
なんか妙だったけど、とりあえずホッとして時間と場所を教える。そしてまたモソモソ布団にくるまろうとする俺に、遥は「あ、ねえねえ」と話しかけてきた。
何か言い忘れた事があったかな、と思って顔を向けると遥が訊きにくそうに訊く。
「…ハラは平気?」
「?ぢょっと下しでるげど、平゙気だよ。いづもの事だじ」
俺は不思議に思いつつも正直に返した。
なのに、遥は何故か『しまった』って顔をした。そして「ごめんね」と詫びて、そそくさと出ていく。
閉まったドアに俺は首を傾げた。
どうして遥が謝ってんだ?何も悪くねえのに。
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