7 / 41
第6話 お友達
次の日 朝食を済ませると、俺は直ぐに海音の病室へと向かい 扉の前で 一度深呼吸をした後、意を決してノックをした
「どうぞ」
昨日と同じ スッと通る綺麗な声
ドキドキしながらドアをスライドさせると、海音はベッドに横になりながらも 俺と目が合うと、昨日と同じ微笑みを向けてくれた
「永遠 来てくれたんだ ありがとう
昨日はごめんね⁇」
「いや 俺が突然あんな事言ったから…
入っても良いか⁇」
「勿論」
ベッドの横に置かれていた椅子に腰掛けた俺は、テーブルに置かれていた海音の食事に目を見開いてしまった
俺のとは全然違うその盆の上は 消化には良さそうな物が並んでいるが、お世辞にも美味しそうとは言えない
それでも若干食べた形跡はあるが 恐らく全然減っていないと思う
「ごめんね あんまり食欲無くて…」
俺の視線に気が付いた海音は 謝る必要なんて無いのに気まずそうに笑った
「いや…でも 食べないとダメなんじゃないのか⁇」
「うん…」
海音は 何の病気なんだろう…
何時間もかかる検査をして、流動食のような食事も喉を通らないなんて…
自分が骨折での入院だから あまり意識して無かったけど、改めて此処は 命のやり取りをする現場なのだと実感させられた
それでも 海音に無理矢理食べさせる訳にもいかず、結局三十分後に看護師さんが 溜息を吐きながら全部下げていった
ともだちにシェアしよう!