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第15話 悪巧 Ⅱ
旧校舎の体育倉庫
場所は知っていても 入った事なんて無かった
来年には取り壊しが決まっている其処は、薄暗くて少しだけ不気味だった
それでも夜の病院に比べれば全然マシだと思った俺は、永遠が居ると思って 中に足を踏み入れた
「…永遠⁇」
軽く辺りを見回してもその姿は無い
より奥に足を踏み入れた時、ドアの閉まる音が鳴り響いて 直ぐに後ろを振り返ると、暗がりの中に複数の人が立っているのが分かった
顔が良く見えない事により恐怖心が煽られる
無意識に組んでいた腕は、指が皮膚に食い込む程 力が入っていた
「へ〜、コイツも まあまあ可愛い顔してんじゃん」
「確かに
でも 兎に角ボロボロにすれば、あの那智が相手してくれるってんだから 美味し過ぎんだろ」
「…え⁇」
那智…⁇
どういう事…⁇
今の状況を整理しきれない俺が後退さると その歩数以上距離を詰められて、無意識に体が震えた
恐怖がより頭の中をパニックにしていき、腰が抜けてその場に座り込むと 何本もの腕が俺に向かって伸びて来た
あっという間に着ていたベストは取られ、俺のシャツのボタンは空中に弾け飛んでいった
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