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第16話 悪巧 Ⅲ〜side永遠〜
「陸也 遅いな」
HRが終わってかれこれ30分
多少の違いはあれど、どんなに遅いクラスでももう終わって良い時間だ
「…陸也が来てくれるって言ってたけど」
陸也のクラスからこの教室までは 廊下も階段も使うのは一つ
すれ違う事は無いだろうと教室を出た
「にしても 那智は可愛い顔して怖えよなー
ちょっと如月 可哀想じゃん」
階段を下りて 陸也の教室の手前に来た時だった
そんな会話が聞こえて来て 一瞬足が止まったが、ゲラゲラと響く笑い声に頭の中心がスッと冷めるのを感じた
半分開いていたドアに手を掛けると、廊下側を向いていた一人が俺に気付き ヒッと小さく声を上げた
その表情に首を傾げた奴らも、後ろを振り返ると 見る見るうちに顔を青くさせている
俺はそんな彼らに、にこりと笑顔を向けた
「今の話、詳しく教えてもらえるかな⁇
手短にね」
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