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第31話 心憂 Ⅱ
『昼休み少し話せる⁇』
朝、永遠から来た連絡に大丈夫と返信をした
授業の内容は全然頭に入って来ない
あっという間に午前授業終了のチャイムが鳴り響き、俺はサッと昼食を取った後、永遠に指定された屋上へと向かった
屋上に向かう途中の踊り場に着くと、永遠がコーヒーと紅茶のペットボトルを待っていて「どっち飲む⁇」とその2本を俺に差し出してきた
「…じゃあ、こっち」
紅茶のペットボトルを受け取ると、永遠が座りながらコーヒーの蓋を捻ったから、俺も真似してその場に腰を落とした
「…ごめん、陸也…俺、海音の事…もう説得とか出来ない」
「…うん」
『陸也…もう僕のドナーにならないで⁇
これ以上、陸也の負担になりたくないんだ
最後くらい お兄ちゃんらしい事させてよ』
何度も言われた俺を思う言葉達
思い返す度に目頭が熱くなる
「俺に出来る事なんて何もないけど…なるべく海音に会いに行こうって勝手に決めたんだ」
「そうしてあげて…兄さん、永遠と話してる時すごく嬉しそうだから…」
「うん…そうだと良いな」
何とも言えない沈黙に気まずさを覚え、居た堪れずに立ち上がった
「…じゃあ、俺 午後 教室移動だから行くね」
「ああ…陸也」
「うん⁇」
「その…何かあったら いつでも何でも言ってくれよ⁇」
優しい永遠
でもこの優しさは兄さん経由のおこぼれな事はちゃんと分かってる
「…俺は大丈夫…ありがと」
そう言って一人階段を降りると一番下に着いた時、振り返った
「コレ ご馳走様」
今出来る精一杯の笑顔を張り付けると、永遠はいつもの笑顔で見送ってくれた
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