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第33話 燈

沢山の点滴に囲まれて眠る海音 その白い手を握りながら、今日学校であった事とか そんな何でもない事を 俺は一人で勝手に喋っていた 海音の手に触れて20分くらいだろうか 病室の扉が開き、そちらに顔を向けると陸也が立っていた 「永遠…来てたんだ」 「うん…海音…起きないな」 「発情期が来たからね…  兄さんの身体には負担が大きくて 強い薬で抑え込むから、この時期はずっと寝てるんだ…」 陸也は俺の隣に座ると 心配そうに海音の顔を覗き込んでいる 「抑制剤と併用して使える薬が限られてるから、いつもこの時期に体調が悪くなっちゃって…」 「…そうなんだ」 確かに 数日前と比べてまた細くなったと思うし、顔色も良くない 海音の命の燈が細く小さくなっていく それを感じているのに、俺はただ白い手を握る事しか出来なかった

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