36 / 41
第35話 燈Ⅲ
「1番近い海に行ってくれ」
「かしこまりました」
走り出した車の中
海音は俺に寄り掛かりながら、ふふっと笑った
「楽しみ…だな…ありがと…永遠」
「海音の頼みは 何でも聞くって決めたからな」
細い肩を抱き寄せ、綺麗な髪を撫でた
海音の呼吸がどんどん苦しそうなものになっていく
「…永遠…君に会えて…本当に良かった」
「俺もだよ…海音」
海音の命が消えてしまいそうな恐怖で喉の奥が熱い
どうか海音の願いが叶いますように
ただそれだけを祈り続けていた
ともだちにシェアしよう!