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第3章 俊介 1
親友が恋に落ちていくのをずっとそばで見ていた。
「あいつはやめておけ」
一度だけそう言った。
「俺は自分の目を信じるよ」
親友はそう答えた。
真っ直ぐで、強く輝く瞳。
筒井はその輝きが失われるのが怖かった。
だから。
だからーーー。
「なぁ。坂下」
そんな風に名字しか呼べない自分を
「俊」と、呼んで「親友」だと言ってくれる。
それならば、もう。
それだけでーー。
手に入れなければ、失うこともなく。
ーー永遠に輝く
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