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第2話

夜になると、毎晩のように雅治さんは僕を求めた。 「千佳、少し細くなった?」 「千佳、ここケガをしてるね。」 「千佳、今日はいつもより声が高いね。」 雅治さんは僕の些細な変化に気づき、時には労わるようなセックスを、また別の日には獣のようなセックスをする。 毎日変わる雅治さんのセックスにはなかなか慣れず、二年がたった今でも脳が痺れるような感覚に襲われる。 「千佳、愛してる。愛してるよ。」 「雅治さん、僕も…っ!!」 雅治さんは達する時に必ず僕にそう言う。 そして、僕も堪らずに声を上げて達するのだ。 寝室は防音になっている家を選んだらしく、僕がどれだけ喘いでも近所の人にバレたことはない。 雅治さんは用意周到だ。 僕とこういうことをするために、防音の寝室がある家を選んだのだろう。 でも普段は真面目で誠実な雅治さんの、そんな一面を暴くのは楽しかったりする。 「雅治さん、明日高校の時の友達と遊ぼうと思ってるんだ。女の子なんだけど、いい?」 「もちろん。ただ、うちに来てもらいな?」 「どうして?」 「普通男と女が二人でいたら、付き合っていると思うだろう?俺は周りの人に千佳が他の女と付き合っていると思われたくない。知らない人にも、ね。」 嫉妬深い雅治さんのことだ。 高校の友達というのは、異性ながらに親友と言えるくらい仲がいい濱田 茉歩(ハマダ マホ)だ。 ずっと男と付き合っていることを黙っていたが、茉歩には嘘をつくことができずカミングアウトしたところ、「もっと聞きたい!」と前のめりな姿勢を見せてきたのである。 上京して二年、久しく会っていない親友と顔を合わせられるのはとても嬉しかった。 「じゃあ、地図を送って明日うちまで来てもらいますね。雅治さんの仕事の邪魔にはならないようにするから。」 「あぁ。俺も千佳の友達に会うのは少し楽しみだな。」 そんな会話をしながら、僕は眠気に誘われるまま目を閉じた。

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