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(番外編)おぞましいときー2
今まで見たことのないそれらに、レイは恐怖を覚えた。何事もないようにそっと立ち去ろうと扉に手を掛けようとした。
しかし、レイが扉に触れるより速く触手は彼の手首を掴んだ。そのまま勢いよく引っ張っていき、床へと倒れ込みそうになっていく。
床に頭がぶつかりそうになる寸前、床の液体がレイのところへと集まっていき、受け止めるように盛り上がっていく。
頭以外の全身を包み込むと、レイのことを離さないようにとがっちりと動かないでいる。
「は、離して……」
そう発するが、彼の言葉を無視するようにそれは離れようとしなかった。
しばらくすると、ゆらゆらと動きだしていく。まるで、レイを纏う服を食べるような動きを見せている。
「あっ……いや……」
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