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(番外編)オメガとアルファのときー2

 誰もいないことを願いつつも、それは呆気なく散っていった。暇そうにしている門番が二人、そこには立っている。  気配を殺し、そっと門を通り過ぎようとした。  しかし、鎧を纏った門番たちが姿勢を正すような金属のぶつかる音がした。 「お、お疲れさまです!」 「……も、門番、の努め、お疲れさまです……」  振り返ることもなく、か細い声でそう呟くレイ。何事もないと信じながらそのまま去っていった。  彼らの視線を感じつつも、レイはそそくさと城の入り口へと向かっていき、重い身体を引き摺るように中に入っていった。 「……今日のレイ様、一段と色っぽい」 「これで、アルバート様の番じゃなければ、俺は襲ってた……」  彼のいなくなったところでコソコソと門番たちはそう話していた。

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