「ミオサマダ‼」 「カアイイ‼」 わぁぁ～～っと３０人近い子供たちが一斉に集まってきた。 みんな、自分の名前を呼んでほしくてニコニコしている。 英語の試験よりある意味難しいかも。 間違ったりしたら大事だもの。 一斉に僕へと視線が集まった。 アシュクラ陛下の”息子の嫁”として、王族としての力量を試される。 「アヤン王子、キュートな悪魔さん可愛いですね。シュリア王子もお似合いですよ。アイラ王女も、素敵なドレスですねーー」 陛下のお子様や、お孫さんに先に挨拶をして、ディネシュさんのお子さん方、王族の皆さんのお子さんと順番に挨拶をして、一番最後にヒーリーさんのお子さんたちが一歩、前に出た。 みんな、ヒーリーさんに顔立ちが似てる。 イシャン、アーリア、アニル３人の男の子に、紅一点の、笑った顔が可愛らしいアリシャ。 「マミィ‼」 彼女は、僕を実の母親のように慕ってくれる。 大翔は、ママを取られるのが嫌みたいで、かなりぶすくってる。 「ラシャさんに、マミィと同じ仮装にして貰ったの。どう、可愛い⁉」 くるっと一回回って、フリフリのスカートをひらひらさせて見せてくれた。 「うん、すっごく似合ってる」 「ありがとうマミィ」 右にアリシャ、左に大翔の手を繋ぐと拍手が沸き起こった。『流石、ヨシト殿下の奥様』多分そんな意味の言葉を口にしているんだと思う。 パパっ子の、奏人と陽人は仲良く手を繋ぎ、スーリア王立大学からボランティアとして来ている学生たちの中にアツの姿を探し始めた。 「とりっく おあ とりーと」 まだ上手く言えない大翔に代わり、アリシャが会う人みんなにそう声を掛けてくれて、持っていたバスケットはあっという間にお菓子でいっぱいになった。 「ママ、おじちゃんのおひげ長いよ」 急に手を離した大翔が、初老の男性に駆け寄って行った。「スシール殿下、大きくなられましたな」優しく微笑み掛けながら、男性は大翔を抱き上げてくれた。大翔は、初めて見るひげに大興奮。手で引っ張りながら、きゃあきゃあ歓声を上げていた。 あのね、大翔。 その方はねーー。 「すみません、マハーマ王太子殿下。息子のご無礼何卒お許しください」 気安く触ってはいけない方なのよ。 王様の次に偉い人。 って言っても分からないか。 陛下の第一王女、ラシ様のご主人である彼は、即位したら、一夫多妻制の即廃止と、10年後を目処に王政も廃止することを明言して、王族の皆さんから猛反対を受けている。 佳大さんでさえ、彼には声を掛けられない。 別格の存在。 「ミオ、噂に聞きし美貌の持ち主ですね。ラクシュマン殿下とラーマ殿下に先ほどお会いしましたよ。とても賢いお子様に育てられて、とても素晴らしい」 「お褒めに預かり恐悦至極に存じます。えっと・・・」 社交辞令は英語の次に苦手で。 すぐに言葉に詰まってしまった。