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第51話 七杯目(14)
その瞬間のルーカスさんの切なそうな顔、画像にとっておきたいくらいに綺麗だった。
「くっ、こら、セイイチロウ」
俺のゆるゆるとした手の動きに、眉間に皺を寄せて見下ろす顔のセクシーさに、息をのむ。俺を怒った言葉のはずなのに、その甘くて熱い言葉に、俺は嬉しくなる。だって、あの表情は、俺が引き出したんだ。そう思うと、さっきまで、俺を見つめていたルーカスさんの表情も理解できてしまう……そう、すごく嬉しい。
俺の右手の中にあるルーカスさんのモノは、とても熱く、その脈打つ鼓動が俺にも否が応でも伝わってくる。
俺の掌はけして大きくもないけど、小さくもないはず……なんだけど……ちょっと……うん、やっぱ……デカいな。
ドキドキしながら扱いているうちに、溢れてきた先走りで、くちくちといやらしい水音が聞こえ始める。
くっ、と小さくセクシーな息が漏れる。そして、息を大きく吐き出して堪えようとして、瞼を閉じているルーカスさん。表情を見ればきっと気持ちいいんだってわかるけど、言葉で聞きたい。そう思ってしまう。
「ル、ルーカスさん、気持ちいいですか」
そんな俺の気持ちが伝わったのか、チラリと目を開けて俺を見下ろしたルーカスさんからは、恐ろしいくらいの色気が駄々洩れで、俺の方がそれに圧倒される。
ニヤリと笑った人の悪そうな顔に、俺はぼうっと見惚れて動きを止めそうになった。
「セイイチロウに触れられてるだけで、堪らない……軽くイキそうだ……んっ」
そう言って熱い息を吐きだすと、今度は俺の手の上に自分の大きな手を重ねてきた。その手も太いモノと同じくらいに、とっても熱い。
どくんと俺の心臓が大きく跳ねる。
「もっと、強く握って」
ルーカスさんの掠れた声に、俺は身体を起こした。もっと気持ちよくなってほしい、その思いから、俺たちの手の動きが徐々にスピードが上がっていく。気が付けば、すでにジャージから姿を見せてるルーカスさんのモノから、目が離せなくなってる。
「はぁ、はぁっ、セイイチロウッ」
神々しいとさえ思う、この美しい人に求められてる。そう強く感じる声と眼差しに、俺は夢中になって手を動かしていた。
「んっ、ンあっ」
ルーカスさんの上ずった声が聞こえたと同時に、どぷんっ、と勢いよく吐き出された白濁。それは俺たちの掌では抑えきれなくて、ドクドクと溢れて二人の掌からも零れていく。
その様は、今まで見たことがないくらい淫靡で、ルーカスさんの荒い息が整うまで、俺は目が離せなかった。
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