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virgin suicide :欲望の夜5
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あれからどれくらい、時間が経ったのだろう? 部屋の時計を見渡すと、午前3時になっていた。
確かここに来たのが、午後10時半過ぎだと記憶しているので、その間仮眠室を独占したことになる。そこかしこに残る体の痛みは、全力で拒否った名残の筋肉痛らしい。
よいしょと掛け声をかけて、なんとか起き上がり、自分の身なりを確認する。
肌触りの良い桜色のワイシャツが着せられていて、ネクタイも緩く締められていた。まるでさっきの出来事が、なにもなかったかのように。
「とにかく一度、家に戻ってから、シャワー浴びないと……」
痛む体を引きずりながら、よろけながら立ち上がった。不意に、虚脱感がじわりと襲う。
「どうして……あの人に好かれなきゃ、ならないんだよ……」
俺のどこを好きになったんだ? わけがわからない――。
「山上先輩と、仕事するの……イヤ、だな」
今日は当直明けなので、山上先輩と顔を合わせずに済むけど、その後はもう……どんな顔していいか、本当にわからない。
「早く帰って綺麗に、しよう……」
残された痕や心のキズは、残念ながら消えないけれど――。
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