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virgin suicide :守りたい3

***  ミッションを無事にクリアして、自分の仕事をサクサク進めていると―― 「ただいま……」  疲れた声を出して、山上先輩が肩を落としながら戻って来た。そして自分のデスクをまじまじと見てから、むーっと低い声で唸って、何度か首を傾げる。 「お帰りなさい。どうかしましたか?」  「……水野さ、席を外してたのって、どれくらいの時間?」  俺は頬杖をついて、過去を遡る。 「えっと書類提出して、お店に行く前にトイレ済ませたあと、店の往復したから15分くらいだと思います」 「他の奴らは会議室や捜査で、それぞれ出払ってるんだよな……」 「山上先輩のデスク、何か盗られた物でもあるんですか? いつもと、変わらない気がしますけど……」  いつもと違うのは、冷めたコーヒーカップが1つあるくらい。 「ごちゃごちゃしてるようで、僕なりの法則が実はあるんだよ」  そう言って前方に置いてあるペン立てから、がさごそと何かを引っ張り出した。 「……防犯カメラ!?」 「ここが警察だからって、何が起こるか分からないだろう。画像見に、ちょっと鑑識に行ってくるから。水野悪いけど僕が戻るまで、席を立たないでくれるか?」  心配して山上先輩を見上げる俺に、誰もいないのを確認してから、素早くキスしていく。それだけで心があっという間に、落ち着いてしまうから不思議だ。 「直ぐに戻るからトイレ、我慢しておけよ」  踵を返して、出て行った山上先輩。    そんな台詞言われたら何だかトイレ、行きたくなったかも……

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