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virgin suicide :守りたい5

 電話をくれてから、45分後に到着した山上先輩。その姿は汗びっしょりで、片手にはコンビニの袋。中身は、缶ビールが2本入っていた。 「お互い無事に逃げ切った、お祝いしよう」  俺の頭を手荒にぐちゃぐちゃと撫でてから、家の中へと入って行く。 「水野、偉かったな。泣くのをきちんと我慢して……」  腫れた目をしている俺を、優しく褒める。その心遣いに、胸がじんと熱くなった。 「まずは風呂に入ろう。久しぶりにひとっ走りして、気持ち良かったけど、早く汗を流したい」  早く汗を流したいと言ったのに、なぜか俺の服を手早く脱がしにかかる。 「ちょっ、自分で脱げますから。山上先輩は自分の服から早く脱がないと、風邪を引いちゃいますよ」  山上先輩の手を制すと、憂いを帯びた目でじっと見つめてから、反対の手を俺の後頭部に回し、ちゅっと優しいキスをしてくれた。 「自分のことよりも……お前の無事を今すぐ確認したいんだ。脱がせろ、水野……」  そう言って裾から熱のある手を入れ、俺の肌に直接そっと触れる。 「やっ、触っちゃ」 「可愛い声を出すな。確認出来なくなるだろう? 僕は僕なりに、お前の心配してるんだから」 「でも」 「口ごたえするな。僕の命令は絶対だ。だから、逆らうなよ政隆……」  言うや否や、深く唇を合わせる山上先輩に逆らえるワケなく、立っているのがやっとで、必死に彼の汗ばんだ服にぎゅっとしがみついたのだった。

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