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ugly

家に帰っても、おかえりと言ってくれる人間はいない。僕も、ただいまを言わない。ある意味、無言の帰宅である。僕はいつ死んでしまったのだろう。 とりあえず、風呂に入ろうと思った。 風呂を沸かす間、制服とか下着は家族にばれないようにシャワーで軽く流して、洗濯機に放り込んだ。 中学の頃のジャージに着替えて、僕は床に座り込む。 中学生になったばかりの頃、大きくなった時のことを見据えて、一つ大きなサイズのジャージを買った。これも、叔母が買ってくれた。 昔から、僕は小さかった。 それは遅肥りだからと叔母は言い続けたけど、今でも人より少し小さい。 中学3年生から背も伸びていないでいる。 風呂が沸いて、僕は体をお湯で流して、湯船に浸かった。 傷が、少し染みる。青痣が、たくさんできていた。 精一杯きれいにしたつもりだった。 泡をたくさん立てて、何度も体を洗った。それでも、気持ちはきれいにならなかった。 風呂から出て、自分の部屋に入って、携帯電話を覗く。画面にヒビが入っていた。面倒だったから、暗証番号なんかは、設定していなかった。だからたぶん、電話番号を知られてしまった。呼び出されるかもしれない。 僕の体はどんどんだめにされていった。 愚図というあだ名をつけられて、愚図は、みんなの性処理係になっていた。 腹のなかを突き回されて、気分が悪くなり嘔吐したことがあった。 男たちは怒り、僕を殴り、腫れて潰れた顔に射精して、写真に撮ったりする。 僕は抵抗をしない。しても、男たちを喜ばせるだけだということは、目に見えている。だからやれと言われたことは全部やった。殴られるより、ましだった。 硬くなった性器を咥えたことも、舌と舌を絡ませたこともある。頭を掴まれて喉の奥を突かれるのさえ、耐えてきた。

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