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ugly
受け取ってもらえなかった。
許してもらえなかった。
叩かれた時に落としてしまって、紙袋は角が潰れて、くしゃくしゃになってしまった。
僕はどうしたらいいかわからなかった。
紙袋を持って二階の自室に上がり、折れ曲がった紙袋から服を出して、袋のしわを伸ばそうとした。
でも、折れたあとは、元に戻らない。
僕は、代わりになる紙袋を探したけど、ちょうどいいものは、見つからなかった。
制服を着たまま、部屋にずっといた。
助けて欲しいというよりも、どうするのが一番いい答えなのかを教えてもらいたかった。
寂しかった。
僕は感情を出すのが下手だったけど、彼が僕のそばに絶えずいてくれたのは、ほんとうはすこし嬉しかった。
だから嫌われないようにしたつもりだったけど、だめだった。
頼りすぎたのがまずかったのかもしれない。会話が面白くなかったかもしれない。自分のお金じゃなかったのが、失礼だったのかもしれない。
自分がしてきた全ての行動が、悪かったような気がする。
携帯電話が鳴った。
呼び出しだった。
上着の入った紙袋を持つ。いらないと、返されるかもしれない。だけど、謝りたかった。返されたら、どうしたらいいか聞いてみて、きちんとやり直せばいいと思った。
出かけに鍵が見つけられなかった。いらいらした。でも、来るのが遅いと殴られないように、鍵をかけずに家を出た。
建物に行く前に、彼の家の寄って、戸に紙袋をかけてきた。
建物に入ると、「なんでお前制服で来たんだ、馬鹿か」と結局殴られた。鼻血が出て、制服が汚れると、男達が小馬鹿にして僕を笑った。
建物には、いつもと違う人が数人いる。
「お前を貧困から救うためにやってるんだ、ありがたく思えよ」
突然、いつもいない男の一人が僕の襟首をつかんでガスを吸わせた。怖くなってすこし抵抗したけど抑え込まれ、体が急に重たくなって、地面に倒れてしまった。
ひどい痛みで目が覚めた。
眠っていた僕を、男が殴って起こしたようだった。
知らない部屋の中にいて、粗末なベッドに転がされていた。
体を洗って来いと鍵を渡され、僕は教えられた道を通ってシャワー室へ向かう。ちょうど電話ボックスくらいの広さしかなくて、すこし窮屈だった。
体を洗って制服を着てベッドの部屋に戻る。
「これからお前がやるのは仕事だ。ちゃんと金が入る、まあはじめのうちは借金返済に使われるけど、そのあとは全部お前のものだぞ」
大柄な男が言った。
「死んでも稼げ」
僕は頷く。見慣れた男達は出て行って、代わりに知らない人だけが残った。
お金を返す。それだけすればいいんだと思った。
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