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第3話
風呂から上がり上機嫌で三本目のビールを開ける。
今日は満月だっていってたな…
いつもは月なんてわざわざ見たりはしないんだけど今日はふと風情と言うものを味わってみようと思い立った。
外へ出て空を見上げる。
この家は祖父が残してくれたものだ。
広い庭には桜の木があって少し離れたところに
真っ赤に染まった楓の木がある。
赤く染まった楓の葉が血に濡れたようにみえる。
満月だからかその赤が強烈に目に入った。その上から声が聞こえる
「お迎えに上がりましたよ。美月さま」
「は?」
真っ黒なマントをはためかせ宙に浮く誰か…
「お前…誰だ?」
「おや?招待状届いていませんか?」
「招待状?」
ヒラヒラとどこからか手元に舞い降りてきた見覚えのある真っ黒な封筒。
「これ?悪戯かと思ってた」
真っ黒な差出人のない封筒。
『樫本 美月様
パーティーのご案内。
10/31 場所 リーベルト城
軽装でお越しください。お迎えに上がります
L.』
この見た目のせいで幼い頃からこの手の嫌がらせやラブレターがこの年になってでも続いていたのでこれも悪戯かと思っていた。
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