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第5話
「おはようございます。美月さま」
「ん…」
俺は天蓋付きのベッドに眠らされていた
「ここは…?」
「リーベルト城です」
「お前は…さっきのやつじゃない?」
「あぁ。先程の者は…いえ…お方は…」
「リーガル。もういい。下がれ」
凛とした声が響き渡る
「はい。では。失礼いたします」
ふっと目の前で霧になり消えていった。それに目を白黒させていた。
「手品?すげー…」
『美月さま。扉を開け左に向かい大きな扉を開けてください』
その声に俺の意志とは関係なく体が勝手に動く
「何…これ…気持ち悪い…」
どんなに抗おうともうまくいかなかった。大きな扉に手をかけ開くとそこは目映い光に包まれていた。
「うわ…凄い…」
キラキラしたシャンデリアが煌々と光る。
床には高そうな絨毯。テーブルも重厚で部屋を分断するようにそこに置かれている。
立食パーティなのだろう。様々な衣装を身に纏った人たちが談笑していた
「美月さまだ!!」
「美月さま…!」
「美月さま…あぁ…お美しい…」
「何…なんなの?」
どの人も俺を見つけて口々に言う
「美月さま…」
一人の紳士が俺の前に来て方膝をつき頭を下げる
「美月さま。お久しぶりでございます。」
「お久しぶりです。木島」
え?俺…何でこの人のこと知ってるんだろう…ここには初めてきたはずなのに…
「木島。元気にしていましたか?お孫さんはお元気?」
自分の言葉遣いが気味が悪い
「えぇ。お陰さまで。あなたの加護のお陰でございます」
「そう。良かった」
「リーベルトさまがお待ちでございます。私にエスコートさせてください」
「えぇ。宜しく」
そう言い手を出すと手の甲にキスが落ちてきた
これ…知ってる…でも…何?
「まだ少し混乱しておられますね。人間界が長すぎましたかね?」
「そうかもしれないね」
木島に手を引かれ部屋の奥にある玉座へ向かう。
そこには長い足を邪魔臭そうに組んでいる美しい…この世のものとは思えないほど美しい男がいた
「美月さま。おはよう」
「…お前は…さっきの…」
「あぁ。まだ術を解いていなかったね。おいで」
その言葉に導かれ彼の足元に跪く。そしてそのまま彼の靴にキスをしていた。
これは…隷属になる行為だ…なんだろう…わからないけれどこうしないとなら無いと思った
「うん。美しいね。美月。良く似合ってる」
彼に微笑まれ立ち上がらされる。そしてそのまま膝にのせられ首筋に歯を立てられた
「っ…ん…あっ…」
「相変わらず可愛らしいね。美月」
歯を立てられた瞬間多くの情報が流れ込んできた。
歓喜…恐怖…淫靡…あぁ…俺は…
「リーベルト様…会いとうございました」
「私もだよ。美月」
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