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第5話

(縛って閉じ込めて涙目の渋谷を無理矢理……! 最初は『やだ』とか『どうして』とか言ってるんだけど……そのうち快楽堕ちして自ら……) か、か……風間の奴…… どんな想像力してんだよ。 怖い怖い怖い!聞いてらんねぇ!もう無理!! 「おお俺、時間だから、も……もう行くな。」 動揺が隠せず声がひっくり返る。 「渋谷!待てよ。昼、一緒に食べよう。」 手をギュッと掴まれる。 (いつも告白してもデートに誘っても流されるしキスしたら意識するはず。渋谷、押しに弱そうだし。とりあえず、キス。これで決まり!) 目が怖い。奴は本気だ……! 慌てて口元を隠す。 「あ!渋谷くーん。」 助かった!サークルの先輩! 「やだわー。渋谷くんたら。彼氏同伴?」 猫耳付けた先輩達がきた。 「彼氏!?は、はぁ!?そんなわけ……」 (彼氏に見える?すげー嬉しい! もっと言って。先輩。 そうだ。アイツには負けない……!) 風間、喜んでるし……アイツって誰? ボッーとしてると無理矢理、猫耳を付けられた。 「男子の中では一番、渋谷くんが可愛い。 いっぱいお客さん捕まえてね!」 (今年も写真を売り飛ばして、稼ぐわよ〜!) (猫耳=萌え。今回のターゲットは男だけじゃなくて女の子にもウケるかも。) 聞きたくなかった先輩の心の声。 ……今年も?……も!? パシャ! 向けられたスマホ。シャッター音が響く。 「先輩!ちょ……何、勝手に写真撮ってるんですか!」 咄嗟に手で顔を隠す。 「記念。記念!」 (渋谷くんの写真、売れるのよね…… 恥じらってる表情も良い!! 彼氏が一緒だと売れないかしら。) 売る!?だから彼氏じゃないって! どこからツッコめばいいんだ! 「俺、欲しい。売って。先輩。」 風間まで何を…… (猫耳、ゲット!今日のオカズにしよう!) オカズ……? ゾゾッと背筋が寒くなる。 「200円!」 「買った!」 本人、目の前でやめて……

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