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第7話
「渋谷が来てくれないから俺が来ちゃった。
チョコ味一つ。今日も猫耳、可愛いね。」
さり気なく肩を抱こうとする風間の手を払う。
「……やめろよ。」
「もー。渋谷は照れ屋さんなんだから。」
いや。違う。照れてんじゃないの。
怖いんだよ。ガチなお前が!
まだ、上條の方がマシ……
ソッ……
急に風間に手を握られ温度が下がる。
「は、離せよ!」
慌てて振り払おうとするけど力が強くて逃げられない。ジタバタしてると、上條がギロリと風間を睨んだ。
「風間。次の客に迷惑だろ。どけよ。」
「…………なんだ。いたの。上條。」
(上條の野郎。同室ってだけで羨ましいのに来んなよ。毎回、邪魔しやがって!)
(公共の場で盛ってんなよ。渋谷が困ってんだろ。)
(いつもクール振ってむかつく。どうせ毎晩、風呂あがりとか寝顔見て抜いてるに違いない!)
(風間……まだ渋谷の事、ベタベタ触ってる。
手を離せ。チャラ男。)
(もしかして、すでに出来てんの!?
俺が知らないだけで毎晩ラブラブ!?
昨夜も猫耳付けながら、『ご主人様〜。』とか言いながらニャンニャンプレイ!?
あー!悔しい!!)
阿呆か!いい加減にしろ!!なんだよ。ニャンニャンプレイって!
いたたまれない。聞きたくなかったよ……
二人共、マジ過ぎて突っ込めねー!
頼むから心の声で喧嘩しないで。
俺の精神がポッキリ折れそうだから……
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