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第11話

(渋谷、なんて可愛い顔してんだよ。) 可愛くなんてない…… 俺、男だし。 …………どんな顔だよ。 俺、今、どんな顔してる……? お前の声、聞こえ過ぎなんだって。 違う。照れてるわけじゃない。 …………ちょっと恥ずかしかっただけ。 (渋谷、真っ赤。可愛すぎる……!) お、お前なぁ…… 心の声には答えられないにしろ、何か文句を言おうとして上條を睨んだ。 ドッ……! 自分の心臓が一気に騒がしくなる。 いつもは仏頂面の上條の頬が赤くなってる。 そんな顔、初めて見る…… …………本当に上條の奴、俺の事、好きなんだ。 目が逸らせられない。 こんな熱い目で見られたりしたら…… (なんで、そんなに赤いんだよ。 …………俺の事、意識してる?) 馬鹿!違うよ! お前の心の声が聞こえすぎて困ってるの。 意識なんか!そんなのしてねぇし…… (上條、可愛い……照れてる顔も好き。) どうしよう…… (もう一回、抱きしめたい。) …………どうしたらいい? なんで…… (渋谷、可愛い……好きだよ……大好き…… キスしたい。) え…… 驚いたのは一瞬。 気が付いたら上條に唇を奪われていた。

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