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第13話
「渋谷の事が好きだ。」
(…………ずっと前から。)
真剣な目。少し赤い顔。
握りしめた手。
上條の本気が伝わる。
(気持ちだけなら風間にも誰にも負けない。)
「渋谷?」
か、顔が熱い。
心臓がドキドキして壊れそう……!
ずっと心の声で聞こえてたけど、実際に言われると恥ずかしい……
上條、本当に俺の事……
俺はノーマルだし女の子が好き。
男にときめいたことなんて断じてない。
でも、上條の目を見てると……!
(振られて終わりなんて嫌だ。
渋谷とずっと一緒にいたい。)
頬が熱い。手が震える。
そんなにじっと見つめるなよ。
見るなって……!
(即答で『無理』って言われると思ってたけど、この反応……)
「渋谷。」
不意に肩に手が置かれる。
な、なんで、肩に手を……
どうして……近づいて来るんだ……!
(もう一回、キスしていい?確かめたい……)
キス!?ダメに決まってるだろ!
……ち、近い!
目をギュッとつぶる。
チュ……
躊躇いがちに唇が重なる。
…………また、キスされてしまった。
(渋谷。真っ赤……)
「どうして避けないんだよ。今のは避けれただろ。…………俺、期待していいの?」
「ぁ……う……」
分かんないよ。俺、こんなの初めてで……
(また可愛い顔して……
やっぱり俺、諦めたくない。)
上條……
「渋谷!俺のことが嫌いじゃなければ、チャンスくれないか?
一週間だけでいい。お試しで付き合って。
返事はその後に欲しい。」
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