15 / 16

第14話

頬に手が置かれた。壁に押し付けられて顔が熱くなる。 「んんっ」 ま、またキス……!熱い舌が入ってくる。 (好き。好きだ。 断わんないで。渋谷……) 口の中を優しくなぞられ、キツく抱きしめられる。 やめて。そんなにキスしないで。 頭がボーッとする。 「覚悟は出来てる。返事をくれ。渋谷。」 (一週間。もしチャンスをくれたら、今までの分、優しくしたい。 駄目なら男らしく潔く受け入れよう。 部屋も誰かと変わって会わないようにする。) ………………会わない? そんな…… 無愛想で口の悪い上條にずっと嫌われてるかもしれない、そう思ってた。 (振られたら、もう会わない。 渋谷に気を遣わせないように身を引こう。) 上條に会えなくなる……? 痛む胸をグッと押さえる。 「…………い、一週間なら……」 蚊のなくような小さな声で答えた。 「え!?本当に!?」 な、何、OKしてんの!? 今すぐ、取り消し…… 「ありがとう。俺、嬉しい…… 一週間後、良い返事もらえるように頑張るから……」 上條が嬉しそうに笑った。 …………そんな笑顔も初めて。 それを見てキュンとする俺の頭は…… おかしくなったとしか思えない…………

ともだちにシェアしよう!