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第4話
『舜、今どこ?』
「家。」
『ああ、ビックリした。起きたら居ないから心配したよ。』
「ごめん。」
『いいよ。無事ならいいんだ。寝てたのに起こしてごめんね。』
「ううん。」
『じゃあ、準備するから、また仕事終わったら連絡するね?』
「うん。…あきら。好きだよ。」
『僕も舜の事大好きだよ。じゃね、おやすみ。』
電話が切れると世界に一人取り残されたように寂しさが込み上げる。
「明さんに抱かれたいなぁ。」
明がよく使う枕を抱き締めて、下半身に触る。
明がするように優しく擦るとドキドキしてきた。
ローターを取ってくると、後ろに宛がう。
「っんぅ。…あきらさん。」
快楽に任せて、弄る。
目を瞑り、明の顔や声を感じながら、続ける。
息が荒くなり、下半身もぬるぬるになっている。
「あきらぁ、すきぃ。」
優しいキスを思い出すと涙が落ちた。
「会いたいよぉ。」
ーーーーーー
「来ちゃった。」
誰もいない部屋に言葉がポツリと落ちる。
明の部屋に入ると、明の匂いがする。
抱かれたい。
ベッドにダイブする。
仕事って何時に終わるんだろぉ。
時計の針を見ると、夕刻を指している。
「ご飯、作ってたら喜んでくれるかな…。」
冷蔵庫を開けて、調理に取りかかる。
野菜を刻んでいると、ここにいていいのかという問いに、ご飯を作るまでは居ていいって、理由をつけられる。
調理が終わると、また不安になってきた。
僕がいたら、気を遣わせて疲れさせちゃうかもしれない。
僕は休みだけど、明は明日も仕事。
やっぱり帰った方がいいのかな。
でも…、帰りたくない。
ほぐしといたら、すぐに抱いてくれるかな。
明に抱かれたい。
この胸の中で黒く拡がる不安を無くしたい。
ソファから、立ち上がるとシャワーを浴びに行く。
きっと明は抱いてくれる。
でも、それが明を困らせるのかも。
「疲れてそうだったら、すぐに帰る!」
声に出して宣言する。
体をキレイにしながら、この後の事を想像すると、徐々に固さを増してくる。
浅ましい自分に嫌気がさしてくる。
それでも、期待は高まり、後ろに指を入れてほぐす。
扉の開く音がして、声がした。
「舜ー?来てるの~?」
シャワーを止めて、バスタオルを羽織るとバタバタと声のする方に走って行って、明に抱きついた。
「わぁっ、びっくりした。舜、その格好すごいね?」
明は笑って、抱きとめてくれた。
「あきらぁ。抱いて?」
あきれた顔をしてたらどうしよぉ。
明の顔を見れずに、ただ待つ。
ふあっと抱き抱えられた。
ベッドに下ろされると、明がスーツを脱ぎ始めた。
待ってる時間にこんなにドキドキするのは初めてだった。
明の肌が露になってくると、胸の高鳴りは強まった。
明は途中まで脱ぐと、覆い被さった。
微笑みながら優しくキスしてくれた。
髪を撫でながら、首に、胸に、キスをしてくれる。
ずっと欲しかった感覚に、夢心地になる。
突起を愛撫されながら、固いそこに触られると声が漏れた。
「もう、こんなに固くしてるの?舜、かわいい。」
愛液を絡めた指が、蕾の周りを撫でる。
その動きにひくひくと反応してしまう。
「今日は静かだね?いつもみたいに、どうしてほしいか言わないの?」
「ちゅうして。」
舌を搦められると、頭の芯が麻痺してくる。
キスをしながら、明の指がどんどんと奥へと入ってくる。
「ほぐして待ってたの?」
「…うん。」
図星をつかれて、恥ずかしくて目が見れない。
「どうしたの?すごくかわいい。このまま入れてもいい?」
「うん。そのままいれて。」
明は残りの衣服を脱ぎ捨てると、入り口に宛がった。
ぬるりと中に入ってくる感覚にぞくぞくする。
「舜の中吸い付いてきて気持ちいい。そんなに僕が好き?」
出入りする動きに合わせて、声が漏れる。
「すきぃ。…あっ、あっ、あきらぁ、ぎゅってして。」
強く抱き締められながら突き上げられ、感情が溢れ出す。
「あきらぁ、離さないでぇ。」
「…煽るね。」
奥を突かれる度に、明と自分の体であそこが擦れて気持ちいい。
「あっ、んぁあっ…イキそうだよぉ。」
「イッていいよ。」
熱いキスをされながら、明の手が涎を垂らす先をぐりぐりとしてくる。
「出ちゃうっ!ぁあっああ!」
明の手の中に溢れ出した。
すると、明はその手を舐めると、体を起こして、膝の裏を抑えて激しく動き出した。
「待ってっ!あきらぁ。」
涙がポロポロ出てきた。
体が熱い。
今果てたばかりの体は全てが性感帯になって、少しの刺激も強く高ぶらせる。
「ごめん。舜見てたら我慢できない。すごくきれいだよ、舜。」
背を反らせて抗っても、凄まじい快楽が押し寄せる。
「ぁあっ!…あきらぁ、また来ちゃうっ!」
「僕もイキそうだよ。」
「「っぁああっ。」」
明のはドクドクと脈打ち、僕のはひくひくと震えた。
荒い吐息のまま何度もキスをする。
明のそれが抜かれるととろとろと液が流れ出るのがわかる。
その事実が僕を救う。
「あれ?舜、イケなかった?」
明がお腹に触れながら聞いてきた。
「イッたよ。たぶん、ドライだと思う。」
「ドライ?」
「気持ちよすぎて、女の子みたいにイッちゃったってこと。」
「うそっ、そんなことあるの?すごい嬉しいんだけど。」
僕を引き起こしてぎゅうっと抱き締める。
僕も明の体温にすり寄る。
「舜、大好きだよ。」
低い声で囁かれて、胸がきゅんとする。
また、涙が溢れてくる。
涙に気づいて明が顔を覗きこんでくる。
「どうしたの?最近の舜、変だよ?」
明の腕枕にすがりながら、話す。
「ごめんね。仕事で疲れてるのに、押しかけて。」
「え?何言ってるの?
帰ってきたら舜が居てくれて、すごく嬉しかったよ。
しかも、すごく可愛く甘えてくれて。
幸せでいっぱいだよ?
…誰かに何か言われた?」
明は笑いながら、頭を撫でてくれる。
「…僕って自己中で明を困らせてばっかりでしょ?」
「自己中?そこが可愛くて堪らないのに♪」
「え?」
「ははっ、僕は舜の奔放な所、大好きだよ。」
ぐるるるる。
「ね、今日、煮込みハンバーグ?」
「うん。」
「だよね!気になってたんだぁ♪」
「えっちしてたのに!?」
「仕方ないでしょ?性欲と食欲は本能だよ?」
明が笑っているのを突き飛ばした。
「待ってよ。舜~。」
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