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第6話
「乾杯♪」
グラスの小気味いい音がなる。
「今日からよろしくお願いします。」
「こちらこそお願いします。」
二人でお辞儀してくすくす笑う。
当面は僕の家で生活することになった。
仕事で終電に間に合わないこともあるから、明の通勤は遠くなるが、うちに来てくれることになった。
ある程度の片付けを終えて、同棲初日の夕食。
「仕事の日は何時頃に出るの?」
「7時半に出れば大丈夫だと思うよ。」
「そっか。やっぱり早いね。」
「そう?舜は何時頃に出てるの?」
「僕は10時頃かな。」
「家事とかってどう分ける?」
料理を口に運びながら、生活の話をする。
時間を気にせずに過ごせることに幸せを感じる。
「僕がするから、いいよ♪」
「そんなのダメだよ。じゃあ、舜は朝食で、僕は夕食と風呂掃除。帰りが早いから。」
「わかった。他はお互いにしよう。」
「舜みたいに気が利かないから、出来てないときは言ってね?」
「うん。言う♪」
シャンパンの3杯目を飲み干すと、気持ちよくなってきた。
「飲む速度はやくない?大丈夫?」
「大丈夫♪だって飲みすぎたら、明が介抱してくれるでしょ?」
「どんな介抱しようかな~♪」
「えっちぃ。」
二人の笑い声がする部屋はいつもより明るさを増していた。
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