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第8話

 笠松の中は狭かった。やっぱりもう少しほぐしてからにするべきだったと思いながらも、押し進める腰が止まらないのもわかってて、笠松のものを刺激しながら、出来るだけ時間をかけてゆっくりと少しずつ押し込んで行く。  そして、やっと奥まで突き入れると背中にまわしていた手に力が入り爪が少し食い込んだ。 「────っ!」  その瞬間、中がぐっと勢いよく収縮してその刺激に少しだけ眉を寄せ、思わず息が漏れる。 (あー、すっげー、きもちいい……)  しばらくすると大きく息をした笠松が俺の目をまっすぐに見つめた。 「は、……はいった?」 「あぁ、はいった」  そう言うと、少し顔を歪めながらもにっこりと微笑んでまた俺に言うのだ。 「みよし、きもちいい?」 「あぁ、すげー気持ちいい」  するとよかった。なんて言いながらまた笑顔を向けるから、もう少し馴染むまでと思っていたのに思わず腰を動かしてしまう。それと同時に笠松も息が乱れ忙しなく声も漏れだし、また涙をにじませた。 「んぁ、……んっ、ん」 「ごめんね。泣かせて……」  潤む目元にキスをして涙を舐めながらも腰を打ち付けてしまう。 「あっ、ああ……ッ……」 「ごめん。でも、笠松きもちいい」 「ああぁ……」  笠松はしゃくりあげながら俺の背中に爪を立てた。  包まれるみたいに気持ちよすぎてたまらない。だからもっともっと体の奥の奥まで自分でいっぱいにしたい。そんな事ばかり考えて動かし続けると笠松の中も痙攣し始めた。 「んっ、あっ、みよ、し……っあ」  揺さぶるたびに卑猥な水音が響く。浅くついては引き、胸の突起にも舌を這わせる。そして、笠松の高ぶったものを扱きながら触れ合う肌、絡み合う脚、触れるところすべてが熱くなっていく。 「あっ、なん、か……へん……あっ」 「変じゃないよ」 「あ、おかしくなる……ッんぁ!」 「おかしくなってもいい」  痙攣する笠松は可愛くてその首筋や耳元にキスを繰り返す。  ぬるぬるになった笠松の先端の粘液をまとわせるようにいじればさらに腰がはねて悲鳴を上げた。引きつりながら浮く腰を掴み奥へと打ち付けるともうやめてと懇願するように腕を伸ばす。  その手をとり指を絡ませながら顔を近付けた。 「笠松……舌、出して」  朦朧とした笠松は俺の手をぎゅっと握りしめながら言われた通り舌を出してくる。 「かわいいな」  そのまま舌を舐めて吸って、ものを扱けばひくつきながら先端からは濡れたものを更に滲ませ、その粘液を絡ませながらそこをぎゅっと握りしめれば、体の奥でおれのを締め付けてくる。  ぬちぬちと響く水音が徐々に間隔を狭め、それと同時に笠松の四肢は強張り荒れた息を漏らしていた。  それなのに、息も切れ切れのくせに俺に手を伸ばして柔らかく笑おうとする。  そんな姿も可愛くて瞼にキスすれば、笠松が途切れ途切れに俺の名前を呼んだ。 「み、よし……」 「ん?」  首を傾げながらも腰を動かせば、笠松が俺のことを引き寄せる。 「きもちい?」 「そう言ってるだろ?」 「じゃ、いっぱ、い……なった?」 「何が?」 「頭のなかまで……ぜんぶ、おれでいっぱい? おれは……みよしでいっぱい」 「何言ってんだよ」  そんなの体を重ねる前から俺は笠松の事で頭が一杯だっていうのに呑気なもんだと思って笑いながら強引にキスをした。

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