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第32話
「んんっ……」
後孔の回りを解していた幸雄の指が歩の中へと侵入してきた。その違和感と圧迫感に思わず息が止まる。
「歩、息ちゃんとして」
優しく囁かれ、息を吸うと自然と身体の力が抜けて幸雄の指を素直に受け入れていた。
少しの違和感が残りつつも、傷付けないようにゆっくり丁寧に拡げられていく後孔。気持ちがいいとは言えないけれど、嫌だとは思わなかった。
「歩、舐めれる?」
昂りきった半身を歩の目の前に出した亮を見上げるとギラギラとした目つきの中に強い欲望を感じた。
小さい頃に一緒にお風呂に入った記憶もあるし、夏になればプールに行って着替えを一緒にしていた。男同士でお互いの裸に興奮するなんて考えてもいなかった。
けれど今確かに目の前に出された男の象徴を見て、歩は興奮をしていた。自分に性的な興奮を感じて昂っている亮の下半身を口に含む事に何の抵抗もなかった。
亮の昂りに手を添えて舌を出すとその鈴口をペロリと舐めてみた。粘り気のある蜜が出てきて口の中に広がる。
「歩……」
切ない声を出す亮をもう一度見上げる。こちらをじっと見ている亮を、歩も見返したままそれを口の中に含んで裏筋を舌でなぞる。
口の中で亮の半身が大きさを増した。喉の奥まで咥えてみると苦しくなって、ジュルリと音をたてながら口から離した。
「気持ちいいよ、歩」
今度は苦しくならないように奥まで咥えずに口の中に入るところまで入れて舌を動かしていると、亮が歩の頭を撫でた。
亮の息が段々と荒くなっていく。自分がしている行為に感じてくれているのだとわかると、もっと奥まで咥えて気持ちよくさせたかった。
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