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第39話

「歩、もうっ……」  段々と速まる腰の動きに合わせて、亮の半身を握る手も速くなる。  後ろから突いてくる幸雄が苦しそうな息を吐き、対面から貫いてくる千花の額から汗が落ちた。 「はっ、あっ……いっしょ……ね? みんなで……」  目の前がチカチカと点滅して、上手く呂律が回らない。それでも必死に訴える。 「みんな、でっ……イきたっ……」  最後まで言えずに奥への刺激に大きく身体をしならせた。  自らの半身から欲が吐き出されビクビクと痙攣していると亮がその半身を歩の口元に近付けてくる。反射的にそれを口に含み吸い付くとドクリと生暖かい液体が口の中に吐き出され、受け止めきれなかった分が口の端から零れた。  同時に腹の中にも熱いモノが大量に弾き出され、脈打つのが感じ取れた。二本の熱が白濁を流し込み、その中は三人分の液体でいっぱいになっていた。 「……歩……大丈夫?」  息が上がったまま、千花が訊ねる。歩は力なく小さく頷き、口の中の液体を飲み込んだ。 「……みんな……は、大丈夫……?」  自分の身体で満足しただろうか。女性の様に胸も膨らんでいなければ、柔らかくもない。筋肉がついている訳でもなければ、性的に興奮する様な外見でもない。  一度抱いてしまったらもう興味をなくすのではないか。それが歩にはとても不安だった。 「大丈夫も何も……」 「もっとしたいくらいだ」 「全然、足りないよ」  三人共が物足りない顔で歩を見つめてくる。  良かった、まだ興味をなくされていない、と歩はホッとして微笑む。 「これ以上は歩の身体が大変だから我慢するよ」  残念そうに千花が言って、他の二人も渋々頷く。 「我慢なんて、しないで」  今までずっといい友達でいてくれた三人にこれ以上我慢なんてさせたくない。自分に出来る事ならどんな要求だって応えたい。 「もっといっぱい、僕を求めて……愛して欲しい」  たとえこの先、飽きられてしまっても構わない。その日が来るまで何度だって気持ちを確かめ合いたい。

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