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第一章・魅了する肉体。(6)
悪魔に殺された骸は皮膚が腐敗し、すぐに白骨化が始まる。これは彼ら人間が悪魔から発する瘴気を浴びた結果だ。悪魔は近年、例を見ないほど活発化していた。
今、世界の均衡が破られようとしている。だからこそ、神はライオネルと契約を結び、悪魔が活発化した原因と鎮静化を計ろうとしているのだ。
白の祭服を着た人物と悪魔。
もし、彼が人間であるならば、いったい悪魔を使って何を企もうとしているのか。
この異様な光景に、最近活発化している悪魔の謎は、祭服の連中によるものだと本能が言う。
「死ね!」
ライオネルが息を潜め、事の成り行きを確認していると、突然現れた鋭い殺気と共に鋭い切っ先が向かい来る。
しかし今は淫魔に構っている暇はない。ここで邪魔をされてはようやく判りかけていた悪魔活発化の謎を追うことができない。ライオネルは舌打ちをする。
すると案の定、ライオネルの存在に気付かれてしまった。白の祭服を着た男が背を向け去っていく。
「待て!」
ライオネルは素早く淫魔の刃を払い除けると祭服の男を追う。しかし行く手は巨大な蛇の姿をした悪魔が阻んだ。蛇のような、『それ』は大きな口を開け、鋭い歯を剥き出しにして威嚇する。耳を劈くほどの鋭く高い鳴き声は大地を振るわせる。
祭服の男に飲まされた液体で、より大きく変化した魔力は体内から剥き出しになり、禍々しい瘴気となって蜷局 を巻く。
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