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Ⅰ【出逢い編】(21)

 地を蹴り、悪魔の攻撃を避けた淫魔は一本の太い木の幹に着地すると、そこを足掛かりにして漆黒の刃を手に悪魔へと攻撃を仕掛ける。頭部を強烈な一撃で肢体を斬りつけた。  だが、どうだろう。悪魔の身体は強固な鱗で守られ、傷ひとつ付いていない。この特徴もまた、レヴィアサンそのものだ。  これが正真正銘のレヴィアサンならば炎を吐く筈だ。ライオネルは腰からリボルバーを手にした。トリガーを引き、遠距離戦へと持ち込む。すべてはこの悪魔の正体を知るために――。  ライオネルが放った銃弾は鋼のように硬い鱗に弾かれる。その間にも、淫魔は攻撃を止めない。二度、三度と悪魔を斬りつける。悪魔は耳を劈く声を上げ、その身体をうねらせて淫魔を襲う。淫魔が避けると、攻撃対象がライオネルへと移った。そのまま鋭い歯を剥き出しに襲い来る。  炎を吐く傾向はない。――ともすれば、この悪魔は、 「紛い物か」  そう吐き捨てると、ライオネルは、今度は鎧砕きのジャマダハルを手にした。地を蹴り、宙へ出ると身体を反転させた。漆黒のコートが宙を舞う。  そして、ライオネルは地へ落ちる反動と共に魔力を練り上げ、ジャマダハルに集中させた。そのまま這い回る魔族に狙いを定め、貫く。  悪魔は強烈な悲鳴を上げて苦痛を訴える。長い巨体をくねらせ、木々を薙ぎ倒していく。ライオネルがジャマダハルを悪魔の身体から引き抜けば、淫魔が双刀をねじ込んだ。
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