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Ⅱ【再会編】(7)

 自分は家族に愛されている。実感すると涙腺が潤む。喉の奥に熱いものが込み上げてきた。  家族とはやはり心地好い。こうしてしばらく離れて暮らし、再会を果たすと改めてそう思う。  赤い唇が孤を描く。そういえば心を許す相手と会話するどころか、人前で笑うことすら久しぶりだった。  少し気恥ずかしくなりニヴィアとの視線を外す。――それは本当に偶然だった。近頃には珍しい強い霊力を感じてふと窓の外を見やる。感じた霊力を辿れば、年齢は(わず)か一〇歳ほどの赤毛の少女がいた。 (あれは――)  彼女は以前、紛い物(ヴァンパイア)と一緒にいた――たしか名前をシンクレアと言っただろうか。  見た目は人間の少女だが、彼女から発せられる霊力は人間よりもずっと純粋でずっと強力だ。その純粋な力は天界神に近い。  悪魔神と天界神。相反するふたつの属性は反発し合う。知り合いになれる筈もない。しかしアマデウスは彼女を知っていた。  アマデウスがシンクレアと出会ったのは忘れもしない、あの忌々しい紛い物と出会した翌日のことだ。アマデウスにとっての貴重な時間を邪魔され、業を煮やして『それ』の屋敷を捜し当てた時だ。彼女は事もあろうに自分を『それ』の仲間だと思い込み、容易く屋敷の中に入れたことがきっかけだ。そのシンクレアが大きな交差点を横断する。 「母上、すみません。急用を思い出したのでこれで失礼します」  背後からニヴィアが引き止める。しかしアマデウスは母親が止めるのも聞かずにカフェを出た。

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