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第四章・帰還。(3)

 おそらくこの二頭の馬は、アマデウスが悪魔界へ戻ったのを見越した両親が寄越してくれたのだろう。  アマデウスは純白の馬の額を撫でると颯爽と飛び乗った。ルジャウダ王の元へと急ぐ。  ――どうせなら落馬くらいしてくれれば気分もずっと良くなる。  アマデウスが後ろを振り返れば――しかし彼は馬の扱いも上手かった。  まるで王者の如く地を蹴り上げる雄々しい蹄は固い大地さえもものともしない勇ましい黒馬。その黒馬を操る彼もまた、王のように気高く、雄々しい。  ――それもまた、気に入らない。  アマデウスはひとつ舌打ちすると自分が操る白馬に合図を送り、先を急がせる。

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